少したつと……
 私と成瀬君、白鳥さんがランチを楽しんでいた昼休みの屋上は、だんだん人が増えて行った。
 まずは女子達が成瀬君を目当てに。
 次いで成瀬君目当ての女子達の移動に釣られて男子達も来るようになった。
 
 そして……
 しまいには数十人にも達し、屋上は大混雑するようになってしまった。

 ランチへ来た他クラスの男子、女子は成瀬君、白鳥さんといろいろと話していた。
 「そのついで」という感じで、ふたりと一緒にいる私にもいろいろ話しかけてきたけれど……最初はちょっとくちごもった。
 上手く話す事が出来なかったのだ。
 
 あまりの大人数にちょっとだけ気おくれした。
 元々、私は社交的な性格ではなく、集団生活がやや苦手。
 それでボッチ状態になったから……

 でも!
 私は以前の私とは違う。
 一歩、いや! 二歩前に出れるようになった。
 
 そして今の私には……大好きな成瀬君がいる!
 親友の白鳥さんも助けてくれるから!

「いつもの『ゆいらしく』でOKだろ」
「ゆい、『私との時みたいに楽しく話せば』良いのよ」

 と、ふたりから励まされ、私は大きく深呼吸。
 
 白鳥さんと親しくなった影響により、少し前からクラスの女子達とはある程度話すようにはなっていたし。
 
 そして何回か行った集団デートの経験も役に立った。
 初対面の男子も混ざった総計20名の男子女子でスポーツやらカラオケやらで遊び、大好きなアニメラノベの話で語り合った楽しかった経験が、私へ大きな勇気をくれたのだ。

 気おくれしたのは最初だけだった。
 私は緊張せず落ち着いて、女子とも男子ともいろいろ話す事が出来た。
 話してみたら……アニメとラノベが好きな子も結構いた!
 
 こうして私は成瀬君と白鳥さんの屋上ランチをきっかけにし、『新たな友だち』がい~っぱい出来たのである。