「そなたは誰か」

「リン·アーシュラといいます」

慇懃に挨拶をかわす。

リンも魔術師らしい。

リュシカはエルリオンとのキノコ鍋に夢中でしたから、リンをキノコ鍋に誘うように提案しました。

「ゴンドール森の地下にはドワーフが暮らす地底都市エリンがあるのですね」
「そ、あたしはゴンドール森の表面の地権者ね。エリンから供給される古文書を魔術学院におくっているの」

目の前のローブを着たリン·アーシュラは水差しから水を飲んだ。

「なるほど。リュシカさまはモリソン川などの天然資源を押さえているのですね」

リュシカは忍耐強くいった。

「すこし良いかしら。
あたしは帝国主義的な野心なんてファンタジーには相応しくない、とそう考えているのよ。
リン·アーシュラ。
どんな人間も飯食う人間よ。
貴賎や貧富の差はあっても、ハンノキがつたえたように人間としての基本を見失うと、失敗するわ」