そんなこと 綺月君にも千柳さんにも、吐き出せなくて。 僕は屋敷に車が着くまで 綺月君と千柳さんのノロケ自慢を、 無表情で聞いていた。 ここまで一人の人を愛せるなんて 羨ましいなって、思いながら…… ** そして、次の日の昼休み。 ――りんりんに会いたいな。 膨れ上がった想いを、胸の中にねじ込み お弁当を抱え 二人だけの密会場所に行ったのに。 ツインテールを揺らす 大好きな笑顔は、見られなかった。 2日間のりんりんロス。 結構、しんどいんだけどな……