「そう……なんだね……」 私の発言が、 あっ君を傷つけちゃったのかな? そう思う程 あっ君の顔が、辛そうに歪んでいて。 「じゃあ、 僕の顔なんて、描かない方が良いね」 ため息混じりの重い声と共に 捕まれていた私の手首が、解放された。 なんであっ君が、 苦しそうな顔をしているの? 私のせい? 何がいけなかったの? 昼休みに、棘(とげ)甘王子と二人だけ。 この贅沢な時間が、苦しくなっちゃったな……