「違います! ただ……触りたくて……」 「唇の形をなぞるように指で触っておいて。 無実ですって、言われてもねぇ~」 寝てると思ったのに…… そこまでバレてたんだ。 天使みたいに可愛い彼の顔が 悪魔に乗りうつられた様に恐ろしいし。 これ以上、言い訳しても 骨折り損の……なんとかだよ。 変人扱いされること間違いなしけど。 これは白状するしかないか。 誰にも言えない、私の変な癖を。 諦めのため息を体から吐き出し 私は、重い口を緩めた。