棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




「心美さんって人の代わりが、
 私なんかに務まるのかなぁ?」




 アハハハと、
 笑い声を足したけれど。



 語尾はだんだん枯れ果てていって。


 乾いた私の笑い声は、
 わざとらしく響いてしまう。





 ――どうせ私は、
   誰かの代わりでしかないんだよね?




 私の瞳。

 なんでこんな時に、
 涙なんか作っちゃうかな?

 

 あっ君だけじゃなく私も

 過去の恋のトラウマがきつすぎて。

『一生、恋なんてしない宣言』を
 してるはずなのに。




 あっ君のこと、好きなわけじゃない。

 この気持ちは、恋じゃない。



 それなのに。


『心美さんの身代わり』


 そう思うだけで
 踏みつぶされたように心が痛むのは

 じゃあ、なんでなの?


 この答え、
 誰に聞けば教えてくれる?