棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




 目の上だけじゃなく、頬も口も耳も。

 顔全部を、ブスブスブス。



「りんりん、さすがにウザい」


「だって、跳ね返りが気持ちいいんだもん」


「ふざけてるでしょ?」


「あっ君の反応が、可愛いから。
 ついだよ、つい」



 迷惑顔のあっ君なんて、気にしない。


 今度は、左の指も追加しちゃおっと。



 あっ君の頬で、
 トランポリンみたいに、
 沈んで飛び跳ねての連続。




「スベスベ、もちもちほっぺ。
 お姫様の肌をイジメてる感じ~」


「僕のこと、女の子扱いしないで」


「わかってるよぉ」


 って、言っておきながら。


 快感すぎ。

 ブスブス攻撃が、やめられない。



「もう~。僕、怒ったからね!」




 プクっとほっぺを膨らませた、
 あっ君が可愛くて。


「その顔も可愛すぎ」と、
 いじり笑いを上げちゃったけど。




 あっ君は立ちあがり。

 私の腕をガシッ。




 今度は私が、椅子に座らされ。

 形勢逆転。




 ブラックオーラを放った、あっ君が。

 両手で、私の座る椅子の
 背もたれを掴んだ。




 私の体は、あっ君の両腕に挟まれ。
 

 逃げたくても、悪魔顔が迫る。