棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




 あっ君の顔を描かせてもらっている
 こんな奇跡みたいな時間は

 これから先、訪れないかもしれない。



 今は、描くことを満喫しちゃおうっと。




 ペン回しで、ドキドキをごまかしながら。

 断られる覚悟で、直談判(じかだんぱん)開始!




「あ……天音先輩……」


「違うでしょ!」


「あ……あっ君」


「何?」


「顔……
 触っても……いい……?」




 変態チックなお願いだってわかってる。


 込み上げる恥ずかしさに、
 あっ君から
 視線を外さずにはいられない。





 無表情のあっ君が、
 椅子からガタリと立ち上がって。


 そのまま、近づいて来て。
 

 私の手首を掴み

 立ち上がらせるように、
 私を思いっきり引っ張った。




 勢いに無抵抗な私。


「ひゃっ」

 
 気づくと、私の頬が
 あっ君の胸に引っ付いていて……



 ドクンドクン。

 あっ君の心臓の音まで、確認できてしまって。



「りんりんって、僕に抱きつきたかったの?」


 いじり笑顔の、あっ君と目が合い。



「そ……そんなんじゃ……」

 慌てて、あっ君から離れちゃった。