「おかず、ごちそうさまでした。
そろそろ、あっ君の顔、
描かせてもらってもいい?」
「いいよ。
僕はどうしたらいい?」
「じゃあ、あそこの椅子に座って。
窓の外の木を、見ててもらおっかな」
椅子に座ったあっ君から、少し離れたところに
イーゼルを立て。
そこにスケッチブックを乗せ。
椅子に座り。
まじまじと、あっ君を見つめてみる。
――本当に、綺麗な顔をしてるなぁ。
鉛筆を走らせ。
顔の輪郭を描いてみた。
――目も鼻も口も。
眉の形ですら綺麗だなぁ。
私は、何を期待しちゃったんだろう。
県内で大人気アイドルのあっ君と
お昼休みの美術室で二人きり。
それだけで、十分、贅沢なことだよね?
それなのに。
心美さんに嫉妬するなんて、
私、本当にどうかしてるよ。



