棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目



「おかず、ごちそうさまでした。
 そろそろ、あっ君の顔、
 描かせてもらってもいい?」


「いいよ。
 僕はどうしたらいい?」


「じゃあ、あそこの椅子に座って。
 窓の外の木を、見ててもらおっかな」





 椅子に座ったあっ君から、少し離れたところに
 イーゼルを立て。

 そこにスケッチブックを乗せ。



 椅子に座り。

 まじまじと、あっ君を見つめてみる。




 ――本当に、綺麗な顔をしてるなぁ。



 鉛筆を走らせ。

 顔の輪郭を描いてみた。



 ――目も鼻も口も。
   眉の形ですら綺麗だなぁ。




 私は、何を期待しちゃったんだろう。



 県内で大人気アイドルのあっ君と

 お昼休みの美術室で二人きり。



 それだけで、十分、贅沢なことだよね?



 それなのに。


 心美さんに嫉妬するなんて、
 私、本当にどうかしてるよ。