棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




 ホワイトデー直後の、中学卒業式。



『勇君、第二ボタンちょうだい』


 何の迷いもなく、両手を差し出した私に。



『すず……ごめん』


 ブレザーに残るボタンの後を
 申し訳なさそうに隠しながら、
 勇君が言ったんだ。



『渡しちゃった……
 さっき……椿に……』



 勇君の口から、
 双子のおねぇちゃんの名前が。



 パニックだったよ。

 なんで椿ちゃん?
 彼女は私だよね?



 この状況が理解不能で。

 いろんな感情がぐっちゃぐちゃで。

 気づいたら、勇君を攻め立てていた私。