棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目



「その子に告白してから、
 小、中学校といじめのターゲットにされてね。
 長い前髪で顔を隠して。
 極力、人と関わらずに生きてきたの」


「そうだったんだね……」



 学園のアイドルで。

 キャーキャー女子に囲まれている
 今のあっ君からは

 イジメられていた暗い過去なんて、
 想像ができない。





「アイドルなんかになったら、
 僕の闇に葬りたい過去、
 ネットで拡散されちゃうでしょ?」


  確かに。



「そういうの、嫌だったからね」



 有名になればなるほど

 あっ君の過去を知ってる人たちが、
 好き放題SNSにアップしそう。



「僕は死ぬまで、
 日の当たらないジメジメしたところで
 自分の存在を消して生きて行くつもりだったし」



 私の真横にいるのは、イケメンの王子様。


 歩いていれば、女子が群がって。

 自分だけに微笑まれたら、
 胸キュンで倒れそうになるほど。




 パーフェクトな容姿に恵まれて。

 何の悩みもなくて。


 キラキラなレッドカーペットを優雅に歩く、
 神様に選ばれた人種だと思ってた。



 でも、
 悩みの無い人なんて、いるわけないよね?


 人を見た目で判断している自分が、
 恥ずかしくなっちゃった。