棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




「僕の一口、大きいよ」


「このおにぎり、
 丸ごと全部、食べてくれていいですから」


「もしや~。僕の口におにぎりを突っ込んで、
 窒息死させる気でしょ~?」



 向かいに座る天音先輩から、
 睨みの矢が飛んできて。


 ふてくされたような顔が、
 またまた可愛くて。



「美術室のカギを閉めたら、
 密室の完全犯罪が、完成しちゃいますね」

 いじり笑い声を返した私。




「鍵なんて閉めちゃったら、
 殺人犯りんりんは、どこから逃げ出すわけ?」


「床に穴を掘っちゃうとか?」


「理事長の千柳さんに、
 蜜甘スマイルでキレられるよ」


「じゃあ、警察の鑑識が帰るまで、
 隣の備品庫の隅で丸まって……」
 

「日本の警察を甘く見すぎ。
 そんな事より、僕を殺さないで!」



 強く訴えるように、
 机をバンバン叩く天音先輩に。

 アハハハハ。

 お腹の底から湧き出る笑い声を
 ふりかけてしまう。