「僕の一口、大きいよ」
「このおにぎり、
丸ごと全部、食べてくれていいですから」
「もしや~。僕の口におにぎりを突っ込んで、
窒息死させる気でしょ~?」
向かいに座る天音先輩から、
睨みの矢が飛んできて。
ふてくされたような顔が、
またまた可愛くて。
「美術室のカギを閉めたら、
密室の完全犯罪が、完成しちゃいますね」
いじり笑い声を返した私。
「鍵なんて閉めちゃったら、
殺人犯りんりんは、どこから逃げ出すわけ?」
「床に穴を掘っちゃうとか?」
「理事長の千柳さんに、
蜜甘スマイルでキレられるよ」
「じゃあ、警察の鑑識が帰るまで、
隣の備品庫の隅で丸まって……」
「日本の警察を甘く見すぎ。
そんな事より、僕を殺さないで!」
強く訴えるように、
机をバンバン叩く天音先輩に。
アハハハハ。
お腹の底から湧き出る笑い声を
ふりかけてしまう。



