「これは、天音先輩のお昼ご飯だし……」
私がもらったら、
先輩の分が減っちゃうし……
おかずが乗った、お弁当の蓋を
天音先輩の方に押し戻したけれど。
「りんりんって、そんな酷い子だったの??」
「ショックぅぅ」と、
声を震えさせた天音先輩は
机に乗せた腕に、悲しそうに顔をうずめた。
「だって、
天音先輩のおかずが減っちゃいますよ」
「大丈夫」
ん?
「りんりんのおにぎり、一口もらうから。
それなら、いいよね?」
「いいです……けど……」
なんか、裏がありそうで……
怖いような気も……
「やったー」と、両手をあげた天音先輩は
さっきまで悲しんでいた人とは思えないほどの
やんちゃ笑顔。
一瞬の表情変化に
『天音先輩って、なんか可愛い』
フフフと、笑みがこぼれてしまう。



