棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目





「僕の顔を描きたいって、思ってたんでしょ?」


「……っ、バレてました?」


「思ってること、顔に出すぎだからね」



「だからイジリやすいんだけど」と、
 付け足した天音先輩。


「その前に、ここに座って」

 部屋の真ん中に、椅子を差し出してくれた。




 カバンを机に置いて

 言われるがまま座ってはみたものの……


 何が始まるんだろう??




「りんりんの綺麗な髪、触ってもいい?」


 ふぇ?
 いきなり何ですか??


 もう私のツインテールに
 天音先輩の指が、絡んでいるんですけど。



 
「いいよね?」



 王子様級の笑顔を向けられ

 頷くことしかできない私。



 座る私の真ん前に立つ、天音先輩。



 近すぎです!


 天音先輩の胸元に
 私の頬が触れちゃいそうなくらい、
 近づぎですから!

 


 息を吸うだけで
 天音先輩のいい匂いが脳に届き。

 クラっと倒れそうになる。




 わっ!
 もう私、ダメかも!



 美男子との魅惑の近距離。

 胸のドキドキで、心臓が破裂しちゃいそう!