熱を帯びていく顔を、見られたくなくて

 両手で顔を隠してみた。



 でも、天音先輩の反応が気になって。

 指の隙間から、チラっ。チラっ。




 それにしても天音先輩の瞳って、
 真ん丸だなぁ。



 口元なんて、控えめで。
 綺麗な形をしていて。


 日焼けを知らないような真っ白な肌は、
 透明感と艶に溢れているよ。




 触りたい!

 描きたい!


 今すぐ、天音先輩の顔を
 デッサンをさせて欲しい! 





 さっきまで私の顔を真っ赤にしていた
 恥ずかしさなんてどこへやら。



 描きたい願望に襲われ。

 顔を覆っていた、自分の手のひらをどけ。



 吸い付くように、天音先輩を凝視して。

 目と目が合って……



「そんなに見つめられたら
 僕の顔、穴が空いちゃうんだけど」

 
「ひゃっ……ごめんなさいっ……」


 私は慌てて、顔を横に逃がした。




 わわわっ。
 
 天音先輩のこと、見つめちゃった。



 無意識だよ。恥ずかしすぎだよ。