入り口に立ちつくしたまま、
 美術室内をぐるりと見まわしてみる。



 この部屋のどこに座ったら、いいんだろう?


 悩んで足が固まる私の前に、
 天音先輩がやってきた。




「りんりんは、
 お姫様抱っこで、連れて行って欲しいの?」


「おっ…おっおっ……」


「あれ?  
 本当にお姫様抱っこして欲しかった?」

 

 そんな願望、私にはないのにぃぃぃ。



 かぁぁぁぁ///


 至近距離で天音先輩に見つめられ。

 恥ずかしさで、ほっぺが茹でられていく。




 天音先輩、
 悪魔スマイルはやめてください。



『キミをイジメたい』

 そんな欲望色の瞳に見つめられたら


『いじめられたいかも』って

 思っちゃうじゃないですか!