「すず~、 妄想空間から帰って来~い」 空を見上げていた私の耳を、 瑠奈ちゃんがキュキュっと引っ張った。 「痛いってば!」と、 瑠奈ちゃんの肩をポカポカ叩いて。 プツッ。 ツインテ肩叩き機、電池切れ? そう錯覚しちゃうほど 手をグーのまま、固まってしまった私。 だって…… 廊下側の席に座る元カレが なぜか、私を見つめているから。 目が合ったのなんて、 フラれて以来、初めてで。 半年以上ぶり。 何かを訴える様な、悲しげな元カレの瞳から 目が逸らせない。