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ひゃぁぁ。
握手会の列、
どんどん短くなってきたよぉ。
列の一番後ろに並んだはいいけれど
いざ握手するってなったら
何を話せばいいかわからない私。
ファンの子たちをお手本にしたくて
握手会の様子を覗いてみる。
『天音様~ 大好きです』
『ラジオから流れた天音様のイケボに、
すっごく癒されたよ~』
握手をしながら
顔を赤らめるファン達は、
まるで告白してるみたい。
これなら、
私が自分の気持ちを伝えても、大丈夫そう。
――警備員室に、連行されませんように。
悪さをした時みたいな
心のザラザラに襲われながら、
握手会券をスタッフに見せ。
「どうぞ~」の声にホッとして。
今度は、別のドキドキに襲われていると。
ついに、私の番が来てしまった。



