棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




「僕が嫌いなら、ゾルックになんて
 誘わなければよかったじゃん!」


「は? 誰が嫌いって言ったよ?」


 えっ?



「天音の中に居座ってる
 過去を呪うナメクジを、
 成仏してやってんのに」
 

「塩で清められたくらいじゃ、
 いじめられ続けたトラウマなんて、
 粛清(しゅくせい)できないからね!」




 惨めな感情に襲われて、
 身動きが取れなくなった僕。



 そんな僕の心を癒すように

 綺月君が、お兄さん顔で微笑んだ。






「天音はさ、
 ずっとイジメられてきたせいで、
 我慢強いんだよな?」


「そんなこと……」


「自分さえ我慢すれば、
 うまくいくって思ってる」


「だれも、
 僕に関わらない方が良いんだよ」



 綺月君も、りんりんも。


 僕にとって大事な人だから

 自分のせいで、
 汚れた未来を歩んでほしくない。