「いっつも毒吐いて、
 俺を追い詰めたふりをしてるけど。

 あれって、100%
 俺のためなんだよなぁ?」



「綺月君、うぬぼれないで。

 見るも無残なヘタレだから、
 つい嫌みが漏れるだけだから」


「ま、俺が褒めても。

 天邪鬼の天音が、
 素直に喜ばないことくらいわかってるけどさ」



 僕のことをわかっているなら

 失恋で凹む僕のことなんて、放っておいてよ。




 しゃがんだまま睨んでみたけれど
 
 ニヤケ顔の綺月君には、ノーダメージ。




「で? 新しい精神安定剤のりんりんとは、
 どうなったわけ?」


「教えろよ~」と、
 綺月君は鬱陶(うっとう)しい声まで追加。