「私、勇君と付き合うことにするね」




 大きな瞳を、さらに開いて。

 驚き顔で私を見た、あっ君。



「…………そっかぁ」

 あっ君の瞳が、悲しげに光ったかと思うと。



「…………幸せにしてもらいなよ」

 あっ君が、顔を歪めて微笑んだ。




 なんで、
 そんな苦しそうな顔をしてるの?




 そんな顔されたら……


 あっ君のこと、 
 諦められなくなっちゃうじゃん……




「先生、僕は教室に戻るので。
 あとはお願いします」



 あっ君は、
 保健室の先生にキラキラ笑顔を見せると。


 私を無視するかのように、
 保健室から出て行った。