棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




「ま、捻挫ね。
 湿布取ってくるから、鈴さん待っててね」



 保健室の先生が離れ。

 椅子に座ったまま、あっ君を見上げてみた。



 あっ君は、長いまつ毛を伏せるように
 ぼんやりと、窓の外を眺めている。




 かぁぁぁぁぁ///


 急に、
 恥ずかしさが込み上げてきちゃった。




 さっきまで、この王子様に
 お姫様抱っこ、されてたんだよね?




 あっ君の温もりも。

 なぜか早く感じた、あっ君の心臓の鼓動も。


 見た目は細いのに、力強い腕も。

 かすかに香る
 陽だまりみたいな匂いも。


 思い出しちゃったよぉぉ///



 
 恥ずかしずぎで、顔があげられない。



 ジンジンする足首の痛みが

 ドキドキの心臓を、さらに追い立てる。