「そ……そんなことないよっ」


「なんで言い切れるわけ?」


「天音先輩の口から、
 椿ちゃんの名前が出たことなんて、一度もないもん」




 椿ちゃんと知り合いだったら

 あっ君なら、
 私に言ってくれていたと思うし。



「じゃあこの写真は、どう説明するわけ?」




 勇君のスマホの画面には

 廊下で微笑みあう、あっ君と椿ちゃんの姿が。




「な……んで……」


 仲良さそうな二人が、肩を並べて映っているの?




 本当に、知り合いだったってこと?





 あっ君が私に近づいた理由って。

 『椿ちゃん』と、仲良くなりたかったからなの?



「二人が付き合いだしたって、
 泣いてる天音先輩ファンまでいてさ」