その夜。


 階段をあがる、椿ちゃんの足音に気づき。

 私は、自分の部屋を飛びだした。




 階段を登り切った椿ちゃんに、
 荒声をぶつける。
 


「勇君を脅してたって。椿ちゃん、本当なの?」


「自分の部屋に入りたいんだけど」


「椿ちゃん、答えてよ!」


「どうせ全部、勇から聞いたんでしょ?」



「じゃあ、いいじゃない」と、
 追加した椿ちゃんは

 私に顔すら向けないまま、
 自分の部屋のドアに手をかけたけれど


 入らせないように
 私は、ドアの前に立ちふさがった。