僕はいつの間に

 りんりんのこと

 こんなに大好きに、なっていたんだろうね。





 大好きだから。

 僕が消えるよ。




 大好きだから。

 最後にりんりんの瞳に映る僕は、
 酷い悪魔になってあげる。






 僕は、りんりんの前に立つと

 両手で、二つのお団子を優しく撫でた。




 りんりんの髪に触れただけなのに、愛おしくて。



 大好きな瞳も。口元も。ほっぺも。

 全てを触りたくなってしまう。






「……あっ…くん?」



「パンダってかわいいと思ってたけど。
 僕、もう飽きちゃった」



    嘘だよ。



「学校ですれ違っても、僕には話しかけないでね。
 僕、しつこい子は大嫌いだから」



 
    りんりんのこと
 
    全部全部、大好きだよ。




    でも……

    これでいい……