棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目




 眼鏡イケメン君に、
 文句を言ってやろうと思ったのに。


 僕の声よりも先に、
 勇君の凛とした声が、美術室に響き渡った。




「椿と付き合って、はっきりわかった。
 俺は、アイツの見た目に惹かれてただけだって」


「椿ちゃんと比べたら、私なんか……」


「自然体の鈴って、マジで可愛いよな」



「可愛くなんか、ないもん!」


「オマエってさ、
 くだらないことでもケラケラ笑うじゃん」


「それ、イヤミ?」


「違うし」


「じゃぁ……」



「鈴が教室で、誰かと笑い合ってるのを見て、
 俺が笑わせたいのにって、ずっと思ってた」



 勇君は手のひらを、りんりんの頬に添えた。




「俺は鈴が好きだ。
 だからさ、もう一度俺のこと、
 好きになってくれない?」