抱きしめたまま。
僕は、りんりんの耳に唇を近づけた。
「りんりん、聞いて」
小さく頷いたりんりんは、うつむいたまま。
「誰かを抱きしめたのなんて、
りんりんが初めてだからね」
「私が……精神安定剤だから……?」
「違うよ」
それは違う。
絶対に違う。
僕の胸に詰まった、
ギューギューパンパンな思い。
これが全部全部。
りんりんへ届きますように。
ゆっくりと息を吸い込み。
「僕ね……」
思いを紡ぎ始めた時。
パシャ!
どこからか聞こえたシャッター音。
僕たちは、反射的に体を離した。
立ち上がって部屋中を見渡す。
すると廊下から、
一人の男の子が入ってきてた。



