棘甘王子に現行犯逮捕されちゃいました ゾルック 三人目



 
 抱きしめたまま。

 僕は、りんりんの耳に唇を近づけた。



「りんりん、聞いて」


 小さく頷いたりんりんは、うつむいたまま。




「誰かを抱きしめたのなんて、
 りんりんが初めてだからね」



「私が……精神安定剤だから……?」


「違うよ」



 それは違う。

 絶対に違う。




 僕の胸に詰まった、
 ギューギューパンパンな思い。


 これが全部全部。
 りんりんへ届きますように。





 ゆっくりと息を吸い込み。


「僕ね……」


 思いを紡ぎ始めた時。




 パシャ!


 どこからか聞こえたシャッター音。



 僕たちは、反射的に体を離した。



 立ち上がって部屋中を見渡す。



 すると廊下から、
 一人の男の子が入ってきてた。