殺人感染

その生徒は片腕がもぎ取られていた。


その状態で声もあげずに立ち上がり、こちらを見つめているのだ。


「え……?」


疑問の声を上げたとき、生徒の目が灰色であることがわかった。


殺人鬼が感染してる!


気がつくと同時に純也が相手めがけて椅子を振り下ろした。


生徒の体はグラリと揺れて横倒しに倒れこむ。


これ、どういうこと?


普通腕が片方なかったら動けないよね?


嫌な予感がしてまた汗があふれだす。


しかし、考えている暇はない。


廊下には10体の殺人鬼がいるのだ。


「遥、こっち」


純也に言われて顔を向けると教室の後方に大き目のロッカーがあることがわかった。


よく確認してみるとここが美術室だったのだ。


ロッカーには美術で使う画板などが入れられている。