殺人感染

「前にも巻き込まれた人がいるなら、どうやって逃げ出したか聞いてみればいいじゃん!」


そう言ったのは香だった。


純也はうなづいた。


「それも聞いたんだけど、さすがにそこまではわからないって言われた。だけど、気になることを言ってた」


「それってなに?」


あたしは純也に聞いた。


「殺人鬼になった生徒たちは耳たぶを切られていたんだって」


「耳たぶを……?」


その瞬間、右耳にアザが出現するという記事を思い出した。


「それって、F君と同じアザを切り取ったってこと?」


香に聞かれて純也はあいまいにうなづいた。


「たぶん、そうなんだと思う。耳たぶを切られていた生徒たちは目の色が元に戻って、そうじゃない生徒はずっと灰色の目をしていたって、教えられたらしい」


純也の両親も人づてに聞いた話だから、ハッキリと言い切ることはできなさそうだ。


でも、それは重要な情報だった。


「アザを切り離せば元に戻るってことじゃない!?」


香も声を弾ませている。


「そうだな。たぶんだけど」


純也は自信がなさそうだ。


なんでも、20年前の事件では最後には感染者全員の耳たぶが切られたらしい。


反撃されて死んでいても、それは関係なかったそうだ。


「でも、耳たぶを切るためには殺人鬼に近づかなきゃいけない……」


雪の言葉に全員が言葉を失ってしまった。


その通りだった。