殺人感染

「みんな、どうしちゃったんだろう」


雪が泣き出しそうな声で呟く。


きっと全員が考えいる疑問だろう。


だけど、その答えを持っている生徒は1人もいなさそうだ。


原因がわかっていれば、対処方法だってわかるのだから。


「遥。大丈夫だったか?」


声をかけられて自分がまだ純也の腕の中にいることを思い出した。


あたしは慌てて純也から身を離した。


「だ、大丈夫だよ。ごめんね、無茶なことしちゃって」


太君から助けようとした女子生徒は結局死んでしまったし、心配ばかりかけてしまっていることに気がついた。


「いや、遥らしいと思うよ」


見上げると純也がかすかに微笑んでいた。


その笑顔に少しだけ落ち着くのを感じる。


廊下からは悲鳴が聞こえ続けていて、騒動は治まっていないのがわかった。


先生たちが駆けつけたとしても、体格のいい男子生徒4人も相手にするのは難しそうだ。


校内には里香の件でかけつけた警察官もいるから、大丈夫だと思うけれど……。


それでも途絶えない悲鳴にどんどん不安が募っていく。


「なぁ、あいつら4人が外に出たらどうなるんだろうな」


それは紀夫君の言葉だった。


紀夫君は青ざめた顔で窓の外を見ている。