殺人感染

☆☆☆

校門前まで移動してきても、死体の山は変わらなかった。


どこまでも道路をふさいでいる人、人、人。


車も通れなくなって、何台も乗り捨てられている。


「香に悪いことしちゃった」


呟くと、純也が手を握り締めてくれた。


その手は血にぬれていたけれど、ちゃんと暖かさを感じられるものだった。


「香だってきっと、俺たちと同じことをした」


純也が希望的想像を口にする。


仮に、感染した雪に出会ったのが香だったら?


そして、感染を戻す方法を知っていたら?


たしかに、あたしたちと同じことをしていたかもしれない。


「でも、香は雪を傷つけないかもしれない」


あたしはポツリと呟いた。


雪が感染していても、香は雪を傷つけず一緒にいたかもしれない。


たとえ自分が殺されてもいいと思ったかもしれない。


それはもう、わからないことだけど。


「香はいつから雪のことが好きだったんだ?」


話題を替えるように純也が聞いてきた。


「たぶん、入学してすぐだと思うよ?」


あたしは教室内での出来事を思い出していた。