殺人感染

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純也に電話をしてから10分ほどたったとき、純也が雪を支えながら教室に入ってきた。


その姿を見るなり香は2人に駆け寄った。


「雪!」


香は純也を押しのけて雪の体を抱きしめた。


「香……」


雪はそう言ったきり絶句する。


香の手に握られた包丁と、教室の惨状を見て言葉を失ってしまったのだ。


「雪、大丈夫?」


あたしは自分の包丁をケースに戻しながら、声をかけた。


「うん。ちょっと貧血だけど」


そう答える雪の耳からはまだ血が流れている。


「どれだけ止血しても、血が止まらないんだよ」


純也が不安そうな表情を雪へ向けている。


雪にはちゃんとした処置が必要そうだ。


だけど、この町でそれができるとは思えなかった。


「とにかく4人全員そろったんだから、外へ出てみようよ」


「そうだな。この町から出ればきっとなにかが変わるはずだ」


純也はうなづき、あたしたち4人は昇降口へと向かって歩き出しだの立った。