「啓治!」


大夢が慌てて啓治に駆け寄っている。


教室の中では僕へ向けた拍手が聞こえてくる。


だけど僕はそのまま教室を駆け出して、トイレへと向かった。


個室に逃げ込み、カギをかける。


廊下からは啓治が僕を探している声が追いかけてきた。


「あ~あ、今日もこんな感じかよ」


僕は大きなため息と共に、呟いたのだった。