過去の記憶をたどるようにして僕は公園を出て、大きな道路を歩いた。


ここは僕たちの通学路だった。


横には大きな用水路があるから、気をつけて通るようにいつも言われている。


学校に行くときもここを入念にチェックしていたが、帰りは特に入念にチェックする。


靴とか文房具が流れてくると、木の棒でそれを拾って名前が書かれていないか確認もした。


でも、毎回空振りで終わる。


どれも梨乃に通じるものを発見することはできなかったのだった。