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ゆっくりお風呂につかり、ストレッチをして布団に入った。


布団の中は心地よくてすぐに温まってくる。


これならすぐに眠れそう……。


うとうととしてきたときだった。


不意に脳裏に樹里たちの顔が浮かんできたのだ。


樹里はあたしを見下ろし、蹴ったり殴ったりしてくる。


蕾も同じようにあたしを攻撃し、それを撮影している重行。


壁にもたれ掛かっている一樹は興味なさそうな表情を浮かべている。


その光景が一瞬にしてよみがえってきて、あたしは大きく息を吸い込んで目を開けた。


上半身を起こすと心臓がバクバクと高鳴り、ジットリと汗が滲んで出てきている。


「なんであの時のことを……」


思い出してしまうと、まだ治りきれていない傷が痛み始める。


あたしは横腹を押さえて顔をしかめた。


気を取り直してもう1度布団の中にもぐりこんだけれど、なかなか寝付くことはできなかったのだった。