☆☆☆
樹里と蕾からの暴力は10分ほど続き、やがて飽きたように不意に帰って行ってしまった。
あたしは痛む体をどうにか起こして壁に寄りかかった。
弱い力だったとしても、10分間ふたりから殴る蹴るの暴力を受けるのはきつかった。
あちこちに擦り傷ができていたし、紺色の制服は真っ白に汚れている。
あたしは制服の汚れを払い、血が出ている箇所をハンカチでぬぐっていった。
幸い、大きなケガはしていない。
動くと痛いけれど打撲程度ですんでいるみたいだ。
「そろそろかな」
壁に寄りかかった状態で呟いて、スマホを取り出した。
ゴクリと唾を飲み込んで画面を確認する。
スマホのトップ画面には《規制アプリ》という名前のアプリがダウンロードされていた。
あの日、あの屋上で、勝手にこれがダウンロードされたのだ。
消そうとしても消すことができず、何度か自分で使ってみて本物だということもわかっていた。
このアプリがあたしのスマホに入ったのはただの偶然じゃない。
これは運命なのだと感じた。
これから始まる復讐のため、あたしは選ばれたのだ。
だから自らこの高校にやってきた。
樹里と蕾からの暴力は10分ほど続き、やがて飽きたように不意に帰って行ってしまった。
あたしは痛む体をどうにか起こして壁に寄りかかった。
弱い力だったとしても、10分間ふたりから殴る蹴るの暴力を受けるのはきつかった。
あちこちに擦り傷ができていたし、紺色の制服は真っ白に汚れている。
あたしは制服の汚れを払い、血が出ている箇所をハンカチでぬぐっていった。
幸い、大きなケガはしていない。
動くと痛いけれど打撲程度ですんでいるみたいだ。
「そろそろかな」
壁に寄りかかった状態で呟いて、スマホを取り出した。
ゴクリと唾を飲み込んで画面を確認する。
スマホのトップ画面には《規制アプリ》という名前のアプリがダウンロードされていた。
あの日、あの屋上で、勝手にこれがダウンロードされたのだ。
消そうとしても消すことができず、何度か自分で使ってみて本物だということもわかっていた。
このアプリがあたしのスマホに入ったのはただの偶然じゃない。
これは運命なのだと感じた。
これから始まる復讐のため、あたしは選ばれたのだ。
だから自らこの高校にやってきた。