「なんか、本当に気持ち悪いよね」


今まで鏡を見ていた蕾があたしの腹部を靴先でチョンッとつついた。


それはまるで、汚いものをつつくようなしぐさだった。


「得たいが知れないっていうか、この世のものじゃないっていうかぁ?」


蕾は言いながらひとりで笑う。


一樹は腕組みをして塀にもたれかかり、タバコをすい始めていた。


興味がないのか、それともなにか理由があって参加しないのかはわからない。


「重行。とりあえず写真撮っといてよ」


樹里が言うと、重行はすぐに立ち上がってスマホを構えた。


全身が写るように後退してあたしを撮影しはじめる。


「よし、いくよー?」


今までだって散々蹴飛ばしてきた樹里が、開始の合図を告げる。


そして、あたしへの暴力がはじまった……。