来てほしくないと願っていても、時間がたてば放課後はきてしまう。


田中先生の後を追いかけるようにして教室を出たが、すぐに追いかけてきて樹里に使ってしまった。


「じゃ、行こうか」


ニヤついた笑みを浮かべる樹里に腕を引かれ、引きずられるようにして校舎裏へ向かう。


その間に何人もの生徒たちとすれ違ったけれど、誰もあたしを助けてくれようとはしなかった。


ジメジメとして陰湿な校舎裏へ連れてこられたとたん、あたしの体は突き飛ばされていた。


咄嗟には反応できなくて、そのままうつぶせに倒れこむ。


それを見て笑う蕾。


「お前気持ち悪いんだよ!」


起き上がる前に樹里からの罵声が飛んできて、次に腕を踏みつけられていた。


「いっ!」


思いっきり踏まれて右腕にビリビリとした痛みが走る。


「転校初日からろくに返事もしないし。ナメてんのかよ!」


樹里は怒鳴り声と暴力がセットになっているようで、声が聞こえた次の瞬間には体のどこかに痛みを感じていた。


あたしは奥歯をかみ締めてそれを耐えた。


「なんとか言えばどうだよ?」


重行があたしの横に座り込んで聞いてくる。


あたしはなにも答えなかった。


ただ地面を睨みつける。


それが余計に4人の気持ちを逆なでした。