相当力を込めていたのだろう、一発で鼻血を拭いた。
「どうしたの? あたしはここだよ?」
ヘラヘラと笑みを浮かべて挑発する。
殴るという行為はボクシングと似ている。
そのため他人へ向けて放たれる拳はすべて一樹自身に戻ってくるのだ。
「くそっ!」
一樹は手の甲で鼻血をぬぐい、更にあたしに襲い掛かる。
その拳はまたも自分の頬に当たった。
パンッと乾いた音が響いて一樹が横倒しに倒れる。
すぐに樹里がかけよった。
「なにしてるの一樹!」
「ダメだ……どうしても、殴れない」
「どういうこと!?」
混乱している樹里へ向けて「お前は早く逃げろ。こいつには勝てない」と、一樹が忠告する。
樹里があたしを見てゴクリと唾を飲み込んだ。
そしてはじかれたように立ち上がって出口へと走る。
しかし、一足先にあたしは樹里の前に立ちはだかっていた。
ここで1人で逃げるなんて許さない。
「樹里には、最後まで見届けてもらわないと」
あたしはそう言うと樹里の体をその場に引き倒し、すぐに馬乗りになって動きを封じた。
「どうしたの? あたしはここだよ?」
ヘラヘラと笑みを浮かべて挑発する。
殴るという行為はボクシングと似ている。
そのため他人へ向けて放たれる拳はすべて一樹自身に戻ってくるのだ。
「くそっ!」
一樹は手の甲で鼻血をぬぐい、更にあたしに襲い掛かる。
その拳はまたも自分の頬に当たった。
パンッと乾いた音が響いて一樹が横倒しに倒れる。
すぐに樹里がかけよった。
「なにしてるの一樹!」
「ダメだ……どうしても、殴れない」
「どういうこと!?」
混乱している樹里へ向けて「お前は早く逃げろ。こいつには勝てない」と、一樹が忠告する。
樹里があたしを見てゴクリと唾を飲み込んだ。
そしてはじかれたように立ち上がって出口へと走る。
しかし、一足先にあたしは樹里の前に立ちはだかっていた。
ここで1人で逃げるなんて許さない。
「樹里には、最後まで見届けてもらわないと」
あたしはそう言うと樹里の体をその場に引き倒し、すぐに馬乗りになって動きを封じた。



