規制アプリ

「暗証番号は?」


「言うわけないでしょ」


「教えろ。じゃないとスマホを今すぐぶっ壊す」


一樹に睨まれてあたしは後ずさりをした。


一樹は本気だ。


このままじゃスマホは壊されて、アプリが使えなくなってしまう。


「早く!」


怒鳴られて、あたしは震えながら暗証番号を口にした。


一樹はそれを入力していく。


どうにか止めないと、一樹にアプリを使われてしまう。


そうなったときのことを想像して一瞬で青ざめた。


一樹のことだ、どれだけ卑劣なことにアプリをつかうかわからない。


「これか」


一樹が画面を見て舌なめずりをした。


背中にどっと汗をかいて、手足が震える。


どうしよう、どうしよう、どうしよう。


パニックになり、頭の中は真っ白だ。


喉はカラカラに渇いてむせてしまう。


どうにかしないとと思うばかりで、名案は少しも浮かんでこない。


と、そのときだった。


一樹の顔色が変わったのだ。