規制アプリ

☆☆☆

次の日も、そして次の日も田中先生は学校に来なかった。


アプリを使ってからすでに4日目になるから、そろそろ限界かもしれない。


先生が苦しんでいるところを見たかったけれど、それができないのは残念だった。


そう思いながらトイレから戻ったとき、前から歩いてきた一樹とぶつかった。


「ちょっと気をつけてよ」


唇を尖らせて文句を言うと、一樹は冷めた視線をこちらへ投げかけてきた。


そこにはどこか余裕のある笑みが含まれているように見えて、一瞬たじろぐ。


「スマホはもっと盗まれにくいところに隠しておいたほうがいいぞ」


そう言って右手を上げると、いつの間にかあたしのスマホが握られていた。


ハッと息を飲んでスカートの中を確認する。


さっきまで入っていたのに、いつの間に!?


きっと今ぶつかった隙に手を入れて盗んだのだろう。


一樹の手際のよさに背筋がゾッと寒くなった。


素人とは思えないやり口だ。


「返して!」


そう言って両手を伸ばすが、慎重差があって届かない。


懸命に背伸びをしても一樹は軽々とかわしてしまう。


あたしは下唇をかみ締めた。


自分で持っている限り大丈夫だと思ったのに、どうしよう……。


一樹は両手を頭上に上げたままであたしのスマホをいじりはじめてしまった。