「亜里沙どこかに行くの?」


「ちょっと、伊代のところまで」


伊代が暮らしているのはここから徒歩5分ほどの場所にあるマンションだ。


中学時代までは毎週のように遊びに出かけていた場所。


「今から? 一体どうしたの?」


「なんかわかんないけど、嫌な予感がするの」


早口でそれだけ説明すると、あたしは玄関から飛び出したのだった。


外へ出て自転車に乗って伊予のマンションを目指した。