すると急に優斗くんが、
「詩織さ、俺頭もぶつけたみたいなんだけど、どこかケガしてないか見てくんない?」
急にそんなことを言って頭のこの辺、と自分の頭を指した。
私は椅子から立ち上がり、
「えっ、どの辺?」
と言いながら顔を優斗くんに近づけた。
その時、入り口でガタッと音がして振り返るとそこには恭介が立っていて。
私は入り口を背にしていたから、恭介がそこにいたのが分からなかった。
どこから会話を聞いていたの? いつからいたの?
「優斗、せん、ぱい。勝ちました。全国へ出場できます」
それだけ言って走って行ってしまった。



