キャプテンの優斗くんが大声で私たち全校生徒に向かって挨拶をした。

『今日は応援ありがとうございます。今日の試合に勝って全国大会出場を決めますので、よろしくお願いします!!』

そしてサッカー部全員で、深々と頭を下げる。

『応援よろしくお願いします!!』

私たちは拍手でそれに応えた。


選手は控室へ、私たちはスタンドへ移動する。

移動しようとした時、誰かに肩を掴まれた。

振り返るとそこに立っていたのは優斗くんで。


「詩織、ちょっといいか?」


そう言って私を大勢の生徒の波から抜き出した。


そこにいた全員が私たちに注目する。

もちろん、サッカー部のメンバーも。恭介も。