「佐伯くん、聞いてもいいかな。佐伯くんって彼女いないの?」
佐伯くんは飲んでいたジュースを吹き出してゴホゴホと咳をした。
「突然の質問でごめん。大丈夫?」
「いや、君島先輩からそんなこと聞かれると思ってなかったから、びっくりした」
「私とデートだなんて言うからさ。彼女がいたら申し訳ないなって」
「俺、付き合ってる人いないですよ」
そっか、そうだよね。よく考えたら分かるよね。
彼女がいたらお礼だからって言われても他の女の人と食事なんて来ないよね。
「うん、それなら安心した」
「えっ、どんな安心? どういう意味の安心なんですか?」
「ほら、あれだよ。彼女がいるのにここに来てたら酷い男じゃない、佐伯くんが」
「なんだよー、そっちの意味かー。なんかちょっとガッカリ」
「ん? 他の意味なんてある?」
「いや、何でもないです。気にしないで。俺の問題なんで」
「じゃ、今夜はデートってことにしよ」



