那美が高校生の時、優斗くんと約束したことをそっと教えてくれた。


「高校を卒業してからも詩織と友達でいて欲しいって優斗にお願いされたのを覚えてる？」

「うん。那美が教えてくれたよね。あと、那美と優斗くんの秘密の約束もあったでしょ」

「それね、もう時効だから教えるけど。優斗に頼まれたもう一つのこと」

「私が聞いてもいいの？」

「詩織に聞いて欲しいの。詩織のことを時々でいいから教えて欲しいって。元気にしているかだけでもいいからって」


えっ？　優斗くんがそんなことを那美にお願いしていたの？

私は那美に返す言葉が見つからなかった。

優斗くんが私のことを大切に思っていてくれたことに気付いて。


「詩織、優斗は有名になってもどんなに凄いサッカー選手になっても何一つ変わっていないよ」