えっ? 優斗くん? えっ、えっ?
「那美、優斗くんって出てる」
「そうだよ、詩織。あの優斗だよ。黙っててごめん。優斗凄い選手になったんだよ」
数年ぶりに見る優斗くん。
私は一気に高校時代の、あの頃の優斗くんを思い出していた。
でもそこには哀しい顔じゃない凛々しい優斗くんがいて。
気が付くと私は涙を流していた。
涙で視界が歪んで優斗くんのことが上手く見れない。
どうして泣いているのか分からない。
でも、悲しい涙じゃ、ない。
サポーターが『ユウト、ユウト』とコールしている。
優斗くん、サッカー頑張ってるんだね。こんなに皆から応援されて。