付き合い出して半年が経とうとしている頃には、詩織はあまり笑わなくなっていた。

とっくに気づいていたんだ。

詩織の息が詰まっていることに・・・。

詩織からもう付き合えない、と言われて。

詩織を俺から解放しなきゃいけないんだって。


「俺もお前に飽きてきた所だったんだ。こっちから別れてやるよ」


俺は心にもないことを言って詩織を傷つけた。

一番してはいけないことを。

そして俺たちは別れた。

詩織はサッカーを観に来なくなった。

3年になり、クラスも分かれて。

学校で顔を合わせることも無くなった。


それでも俺の心の中にはいつも詩織がいた。