教室のドアを開けて、中へ入る。

と、先生よりも先にバカ拓海がニヤニヤしながら大声で

「はい、優斗遅刻―――!!」

なんて言うもんだから、皆に注目されて。

詩織のこと、隠し切れなくなったじゃねーか! バカ拓海!

「あれ? 後ろにも誰かいる?」

ほんっとに拓海は空気が読めねぇヤツだ。

「先生、すみません。俺、さっき階段で転んで保健室に行ってました。君島さんはその付き添いです」

適当に誤魔化そうと思ったら、先生が

「運動部に入ってる人が転ぶなんて、怪しいなぁ」

なんて、俺の嘘を見破るから、つい、

「あっ、間違えました。転んだのは君島さんでした」

・・・・。

クラス中に爆笑されて。


「詩織、ごめん。酷い結果になりました・・・」

と、小さい声で謝った。