春になり、私は大学2年生になった。
恭介のことを想う時間を少しでも減らそうとサークル活動をしながらアルバイトの時間を増やしている。
恭介とお別れしたことは那美と大学の友達と、サークル仲間の吉野さんには伝えた。
吉野さんは恭介にK大学を勧めてしまったことを何度も私に謝ってきて、その度に私は
『吉野さん、謝らないで。吉野さんには感謝しているんですよ。恭介の行くべき道をアドバイスしてくれて、それを恭介が選択したんですから。私は恭介が元気で過ごしていてくれるだけで幸せなんです』
そう答えて。
「ははっ、詩織は恭介くんのお母さんみたいだな」
ってからかってきて。そして、
「詩織、辛かったらいつでも話を聞くから。詩織に笑顔が戻るまで、俺やサークルの仲間がずっと詩織の側にいるから」
そう言ってくれた。